[本] ランニングを極める アレクサンダー・テクニークで走りの感性をみがく
公開日: 2013年1月25日金曜日 本
図書館でスポーツ関連の本棚を見ていたら興味を引くタイトルの本があったので借りてきました。読めばすぐに効果があるというものではないと思いますが、非常に興味を引く内容でした。
アレクサンダー・テクニークとは
本書6ページに以下のように書かれています。
アレクサンダー・テクニークは、無意識のうちにおこなわれる非生産的で習慣的な動作を生みだす、身体の反応に注意を向け、意識的にその反応をコントロールできる能力を育てようとするメソッドだ。
上記のとおり、アレクサンダー・テクニークはランニングに特化した技術ではありません。 その名前は、昔オーストラリアにいたアレクサンダーという役者が発見したことに由来します。
アレクサンダーは、舞台で声がかすれて出なくなる事象に見舞われました。それも舞台に上がるたびに。 その原因は何かを追求した結果、自身の体の使い方に問題があったことを発見し、それ以降、役者や音楽家などに教えるようになりました。
教師の育成にも尽力し、現在では世界中で2,3千人のアレクサンダー教師がいるそうです。
脳内フォームとのギャップ
公園を走っていると、いろんなフォームの人を目にします。ビートたけしの「冗談じゃないよ」みたいに頭を左右にカクカクしながら走る人。脚をコンパスみたいに振り出して走る人。腕をだらんと下げてノーガード戦法で走る人。腕の振りが速くて脚の動きと合っていない人。
たぶん自分がどんなフォームで走っているかわかっていないのだと思います。本書では、新雪のなかを走るランナーの例をあげています。
公園の周回コース上に積もる雪。そこで面白い足あとを見つける。
大人の足の大きさだが、おかしな小さいストライド。もっとおかしかったのは、足あとの位置だった。まるで2時5分前を指す時計のよう ――― 少し外に開いた左足と、後ろ前になるような方向に向いた右足。このランナーは面白い容姿の男に間違いないとひそかに考えながら、すまして走りつづけた。この人は、自分のとんでもない格好に気づいていないのだろうか?ハイドパーク・コーナーのあたりで、私はこのよろけるように走る人のめちゃくちゃな足どりをまねて楽しんでいた。どうせすぐに追い抜くはずだ。
ところが彼の姿はいっこうに見えてこない。これはおかしい。そして気づく。彼とは、自分のことだったのだと。しかし、事実を受け入れられなかった彼は、知り合いのランナーに聞いてみた。
「アリ、私はいつもこんなふうに走ってるかな?」(バランスの悪いアヒルみたいな歩き方をわざと強調して)
「いつもそうよ」と 彼女は答えた。「200m先からでもあなただってわかるわね」
これは結構ショックですね。知ってたんなら教えてよって思います。
私はというと、オールスポーツで撮られた写真を見て、こんなにガニ股だったのか…とショックを受けました。
ジョギングを始めたばかりのころに腸脛靭帯炎になり、改善策を調べたところ、“O脚だとなりやすい”、“つま先をまっすぐ出す”とあったので、ジョギングのときはもちろん、普段歩くときもつま先の向きに気をつけて歩くようにしました(あと足首ストレッチャーも買った)。そんなわけで、ガニ股は矯正できたと思っていたのですが、全然でした orz
私はまわりに走っている人がいないので、ヨメさんに動画を取ってもらって確認してます。見るときは↓このアプリが便利です。0.2倍速まで再生速度を落とせます。
上手な走り方とは?そして、下手な走り方を避けるためには?
最終章に書かれているランニングのポイントです。気づいたところから直していこうと思います。
上手に走る5つのポイント
- 良いランナーは背を高く保つ
- 少ないトレーニングで多くの成果をあげる
- 体が悲鳴をあげる前に、小さなささやきに耳を傾ける
- 足音を立てるランナーは故障しやすい
- プロセスに自信を持ち、プロセスを楽しむ
ランニングでやるべきこと
- 腕と脚とを連動させる
- 足首の力を抜き、膝の裏側をゆるめる
- 膝でリードする
- 地面から足を上げることに集中する
- 「前方へ、上へ」の方向づけをする
- 視線を30〜50m先に向ける
- 手首はぶらぶらさせずにバランスをとる
- 肘は90度くらいに曲げる
- 腕はまっすぐ前後に振る
- 軽く、静かに走る方法を身につける
- 脚で走るのではなく、脚を使って走る
ランニングで避けるべきこと
- 体を無理に上方に押し上げない
- 足で前へ押し出してはいけない
- 腕を胴のわきにくっつけない
- 中心線で足を交差させてはいけない
- 腰に力を入れてはいけない
- 頭を揺らしてはいけない
- 手を握りしめたり、手首をぶらぶらさせてはいけない
- 歯を食いしばってはいけない
- 上下左右に揺れてはいけない
- 胸を突き出してはいけない
- 腹式呼吸をしてはいけない
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